2歳児【ママじゃないとダメ!】母親にべったりな子への5つの対処法

2歳ごろの子どもは、イヤイヤ期真っ只中でとても気分屋です。

・四六時中ママにべったり甘える
・ママが近くにいるか常に確認している
・そうかと思えば、ふらっとどこかへ行こうとする
・「じぶんで!」と言うので1人でさせてもすぐに癇癪を起こす
・「ママだっこ」「もうおりる」「やっぱりだっこ!」を繰り返す

想像しただけでも、とても大変ですね。
みなさんはこのような行動にふり回され、困っていませんか。
実はこれ、1歳後半から3歳ごろにみられる「心のジレンマ」によるものなのです。

この時期の関わり方の大きなポイントは2つ、
「気持ちを受けとめること」「見通しがもてる声かけ」です。

子育てに悩んだら、まずは困り事の背景(どうして○△するの?)を考えましょう。
そして、背景を解決する行動をしていくことが大切です。
これから、ママにべったり甘える2歳児への対応について、発達心理の観点から説明していきます。

2歳ごろの「ママじゃないとダメ」はこれが原因

1~2歳児はジレンマだらけの「再接近期」
ママにべったりくっつき離れるのをイヤがるのは、これまでの子育てで強い信頼関係(愛着)ができているからです。
ママといるだけで安心するのです。

2歳は「再接近期」と呼ばれる発達段階にあります。
「離れて1人でやりたい」
と思うけれど、
「やっぱり怖い。不安。ママといたい」
というジレンマが生まれる時期です。
ママから離れてもすぐに戻ってきて甘えることを繰り返します。
この行動は1歳半から3歳ごろにみられます。

このジレンマが起きる理由は、正反対の2つの意識が芽生えるためだと言われています。
2つの意識についてお話します。

1つ目:分離意識

走ったりよじ登ったりと運動能力が発達することで、ママから離れても自由に動けるようになります。
自分の力を信じるようになり、一人やりたい気持ちが強くなるのです。

「ひとりで!」
「ママあっち!」

と言うのは分離意識の育ちによるものです。

2つ目:分離不安

自分でやりたいと思う反面、
「ママから完全に離れると見捨てられるかもしれない…」
という不安がでてくるため、離れることをイヤがります。

「ママ ばいばい!」
と手を振ったそばから、
「やっぱりいて!」
と言うような行動は分離不安が理由です。

ではいつジレンマは落ち着くのでしょうか。

ジレンマが落ち着くのは3歳ごろ

3歳になると、言葉と心がぐんと発達します。

・言葉の発達がすすむため、言われたことがしっかり理解できる
・パパ・ママ・園の先生など、自分以外の人の認識はもちろん、「自分自身」の存在に気がつく

3歳になると、自分の心の中にママを思い浮かべることができるようになります。
すると、ママの姿が見えなくても落ち着いて過ごせるようになるのです!
「ママと離れてもまた会える」と分かることで、少しずつ自立していきます。

甘えん坊な2歳児がママを振り回す理由と、いつまで続くかを説明しました。
それでは、実際にはどのように関わればいいでしょうか。

ママにべったり甘える子への適切な対応5つ

1人で頑張りたいけれど、1人きりは不安という葛藤の中にいる子どもたち。
ママも子どもも、なるべく穏やかに過ごしたいですよね。
ここで具体的な対応を5つお伝えします。

気持ちを受け止めてあげる

子育てにおいて、特に大切にしてほしいポイントかもしれません。

「○△したいんだね」
「○○がうまくできないのがイヤなのね」
など、子どもの行動を言葉にしてあげる
「その気持ち、ママわかるよ!」
と子どもの気持ちに共感する

自分のことを分かってくれた!と感じると、子どもは嬉しくなり安心します。
そして強い信頼関係が育ちます。

見通しをもたせる

1人時間がほしいときや誰かに預けるとき、子どもから離れることがありますよね。
そのときは、見通しをもたせてあげましょう。

・ママはどこに行くのか
・いつ帰ってくるのか
・帰ってきたら、頑張って待てたことを認めしっかりと褒める

例えばママだけでお出かけする場合、
「今から○○へ行ってくるね。おやつを食べ終わったころに帰るからね。」
と伝えましょう。
帰ったあとは、
「おやつの時間に帰ってきたよ。頑張って待ってくれてありがとう!偉かったね!」
と褒めてありがとうを伝えましょう。

見通しのための声かけは毎回行います。
すると少しずつ、「ママはどこかへ行っても必ず戻ってくる」と分かり、安心して離れられるようになっていきます。

とことんジレンマに付き合う

今は気持ちを上手にコントロールするための練習期間です。
たまにでもいいです、とことん子どもの要求に付き合ってあげてください。
受け止めてもらえた経験を繰り返すのも、安心感につながります。
今後ママから離れるときの心の成長に役立ちますよ。

ママもリフレッシュが必要

元気いっぱいで機嫌が変わりやすい子どもの相手をするには、ママにも十分な気力・体力が必要です。ママが疲れているときは子どもの行動にイライラして、怒りが爆発しそうになることもあるでしょう。

・テレビやスマホを見せる
・パパに丸投げする
・一時保育、ベビーシッター、家事代行など人の手を借りる
→金銭面が気になるかもしれませんが、この時期の必要経費と割り切るのも手です

頼れるものは全部使いましょう!
ママが元気になることが最優先です。
元気になったら子どもを抱きしめてあげてくださいね。

たくさんスキンシップをとる

子どもたちは、まだまだママとの抱っこやギューが大好きです。
思いっきり甘えさせてあげましょう。

・頭をなでる
・ギューと抱きしめる
・膝の上で絵本を読む
・たくさん「大好き」と言う
・「いつもみてるよ」と伝える

子どもとのあたたかい触れ合いは、ママの心もホッとさせてくれますよね。
ママに愛されていることを実感するたびに、子どもたちは外の世界に出るためのパワーがたまります。
からだの触れ合いと優しい言葉がけ、どちらも意識的に行いたいものです。

イヤイヤしている子どもの気持ちを受けとめながら関わりましょう。
次は、気をつけてほしい関わり方についてお伝えします。

気をつけて!2つのNG行動

しないでほしい関わり方は2つです。

・無視
・つき放す

子どもは、私たちが思うよりもパパやママの言動に影響を受けます。
「そばを離れると見捨てられるかもしれない不安」を常に抱えている子どもたち。

パパやママから無視されたり、「あっちへ行って」と突き放されたりすると、子どもの不安は増してしまいます。

ダメだと分かっていても、子どもといるときにイライラが爆発しそうになる気持ち、よく分かります。
子どもにイライラをぶつけないよう、怒りをコントロールできるようになりましょう。

・6秒数える
→人の怒りは6秒間がピーク
・2~3回大きく深呼吸をする
→自律神経が整う
・トイレや別室へ行き、少し一人になる
→その場から離れることで気持ちをリセットする

このような怒りのコントロールを、アンガーマネジメントといいます。
あらかじめ気持ちのリセット方法を決めておくと、いざというときに慌てず実践できるのでオススメです。

まとめ

・2歳児はジレンマだらけ
・3歳ごろには落ち着いてくる
・まず気持ちを受け止めてあげる
・見通しのできる声かけが大切
・ママもリフレッシュしよう

イヤイヤ期の子育ては大変ですよね。
この時期、「自分でやりたい気持ち」「やっぱり不安」な気持ちがせめぎあい、子ども本人も困っています。
ママは困り事の背景を知り、子どもの苛立ちや不安を受け止めてあげてください。
子どもが自信をもって外の世界に関われるよう手助けしていきましょう。

2歳になると子どもの主張が強くなります。
元気いっぱいな2歳児の相手をしていると、クタクタで倒れそうになるときがあるかもしれません。
子どもに手をとられることが増え、自分の時間が減るためストレスがたまるかもしれません。

子育てはこれからも続きます。
積極的に人の手や物に頼り、上手に息抜きをしてください。