【2歳児の癇癪?発達障害?】イヤイヤ期でまわりの子との違いが気になるママへ

2歳児はイヤイヤ期の真っ只中です。
子どものかんしゃくがひどいのはイヤイヤ期だから?もしかして、発達障害では?一度気になると不安が消えませんよね。

「なんだかまわりの子とは違う気がする」
「イヤイヤが激しくて、どうしたらいいか分からない」
「育てにくい子。もしかして発達障害があるのかな」

公園や児童館などへお出かけすると、同年齢の子どもたちを見かけると思います。
「わが子」の相手は大変なのに「あの子」は育てやすそう…と感じたことはありませんか。
そんなとき頭をよぎるのは「発達障害の可能性」ではないでしょうか。

今回は「イヤイヤ期」と「発達障害」に注目して、2歳児の育てにくさの原因と対処法をお伝えします。

2歳児はイヤイヤ期ど真ん中

2歳ごろになると自我がめばえ、なんでも自分でやりたがり「いや」「じぶんで」と自己主張をし始めます。
しかし自分だけではできないことも多く、欲求をうまく言葉で伝えられないもどかしさを抱えている時期です。

イヤイヤ期のかんしゃくは、思い通りにいかない苛立ちが原因

2歳児は、自分の思った通りにできないとき、もどかしさを感じてイライラします。その苛立ちを「いや」としか言えず、かんしゃくをおこして泣いてしまいます。
何にでもかんしゃくをおこすので「聞き分けがないのかな」「こんなに怒るのはおかしいのかも」と、ママは不安になるかもしれません。

大変な時期ですが、「イヤイヤ期」があるのは心の発達が順調な証拠です。この時期にパパやママに気持ちを受け止めてもらえると「自己肯定感」が高まるといわれています。

かんしゃくがおさまるまで、静かに見守る

かんしゃくがおきたとき、子どもの頭の中はパニック状態です。
声かけをするとさらにパニックになることもあります。

・まずは静かに子どもを見守る
 (ケガの危険があるときは、ママの体やクッションでガードする)
・子どもが落ち着いたら「いやだったね。我慢できてえらいね」と声をかける

かんしゃくがおきたときは、安全確保をしてから見守ります。子どもが落ち着くまでの間、ママも深呼吸や好きなことを考えて、イライラをやっつけましょう。
子どもが落ち着いたら、イライラした気持ちを受け止め、我慢できたことを褒めてください。
「ママは自分を分かってくれる」と安心します。
「イライラをやめたらママが優しい」と感じることで、かんしゃくの予防にもつながります。

イヤイヤ期がひどいのは発達障害だから?

「うちの子だけイヤイヤ期が激しい気がする」
「泣いたり怒ったりする理由が分かりにくい」
「言葉の遅れやおもちゃの遊び方が気になる」


イヤイヤ期だから、では解決できない悩みがあると、発達障害の可能性を考えるかもしれません。
発達障害のある子のイヤイヤ期についてお伝えします。

そもそも発達障害ってなに?

発達障害は、生まれつき脳の働き方が他の人と違う特性のことです。
見た目では分かりにくく、行動や感情のあらわし方に特徴があります。

主な発達障害は3つです。

自閉症スペクトラム

自閉症、アスペルガー症候群を含む広汎性発達障害です。
・一人遊びが多く、ひとへの興味・関心が弱い
・言葉の発達がゆっくり
・特定のものへの執着、独自の行動パターンがある

注意欠陥多動性障害(ADHD)

・じっとしていられない
・集中力がない
・衝動的に動く

学習障害(LD)

・「読む」「書く」「計算する」に、ひとつまたは複数の難しさがある
・小学生以降でみつかることが多い

その他の発達障害

・吃音:なめらかに話すことが難しい。いわゆる「どもり」
・チック:勝手に声が出たり体の一部がピクッと動いたりする
・体の使い方や手先の不器用さ
など

激しいイヤイヤは「敏感な感覚」のせいかも

感覚は「見る・聞く・におい・味・触る触られる・姿勢の変化・力加減」の7種類あります。
発達障害がある子の中には、感覚刺激に敏感に反応したり、逆に感じにくかったりと、感覚のとらえ方がかたよっている子がいます。

感覚が敏感だと…

・揺れや高い場所が怖くて、ブランコやすべり台を嫌がる
・音が頭にとても響くので、耳ふさぎをする
・ノリや泥が体につくのを嫌がる
・手をつなぎたがらない

など、不快や恐怖を感じてパニックになることがあります。

感覚刺激への反応が弱いと…

・声かけに気がつかない。無視をする
・細かい力加減が苦手で、ものをこぼしたり壊したりする
・じっとしていられず、走り続けたりくるくる回ったりする

などの行動がみられます。

感覚のとらえ方がかたよっていると、パパやママには平気なことでも、子どもは不快感でいっぱいになります。
2歳児はうまく言葉で伝えられないため、不安や不快の理由を説明できません。
「苦手な感覚への不快感」と、「ママに分かってもらえないもどかしさ」から、かんしゃくを起こして泣き叫んだり、その場から走って逃げたりします。

苦手な感覚刺激は、にげる・はなれる・取りのぞく

子どもを観察してみると、よく怒る場面や苦手な遊びがみつかることがあります。
感覚面での困りごとは、原因から「にげる」「はなれる」「取りのぞく」ようにしましょう。

・手や体が汚れそうなときは、あらかじめタオルを用意しておく
・嫌がる、怖がるときは無理にさせない
・うるさそうな場所にはちかよらない

感覚のとらえ方はひとそれぞれです。
子どもの反応から「どんな風に感じているか」想像し「どう工夫すれば楽になるか」を考えてあげられるといいですね。

予定を伝えて、活動の見通しをもたせる

発達障害のある子は「いつもと違う」と不安になりやすいです。
お散歩コースが違う、お気に入りのタオルがない、ご飯のときのお茶が今日は水だった。
小さな変化でも、子どもは大きな不安でいっぱいになることも。

・なるべく「いつもと同じ」にしてあげる
・変更があるときは、予定を先に伝える。行動の見通しをもたせてあげる
・言葉の理解がゆっくりな子には、絵カードや写真など、見てわかる方法で伝える
・時計やタイマーで遊びのおわりを知らせる

毎回「いつもと同じ」に付き合うのは、ママが大変です。
あらかじめ「今日は雨だからお散歩ないよ」「お茶がないから牛乳にする?」など、予定変更を伝えてあげましょう。
「見通しがもてる」「活動の区切りがわかる」ように関わると、子どもは心の準備ができるので、安心して過ごせます。

子育ての悩みは地域の相談窓口へ

子育てに不安があるときや、発達障害が心配なとき、まずは地域の相談機関を利用しましょう。

・市町村保健センター
・児童相談所
・子育て支援センター
・発達障害者支援センター

相談先では必要に応じて、アドバイス、発達検査、医療・療育機関との連携を行ってくれます。

まとめ

2歳児の「イヤイヤ期」と「発達障害」それぞれの子どもの育てにくさについて、お伝えしました。
2歳ごろは、自我が芽生え「いや」「じぶんで」と自己主張が強くなる時期です。
その分、ひとりで上手にできないこと、気持ちを言葉にできないことにイライラし、かんしゃくがおきてしまいます。

・2歳児はイヤイヤ期の真っ只中でかんしゃくがおきやすい
・かんしゃくがおきたら、子どもの安全確保をしてから落ち着くまで見守る
・発達障害の子によくみられる「感覚の敏感さ」が、かんしゃくの原因になっていることもある
・子どもが嫌がる感覚刺激は「にげる・はなれる・とりのぞく」で対応する
・行動の区切りにタイマーを使う、先に予定を伝えるなどで、見通しをもたせて安心させる

子育てが辛いときや、子どもの行動が気になるときは、地域の相談窓口へ連絡するのも1つの手です。
専門家に話を聞いてもらうだけでも、気持ちが軽くなるもの。
支援が必要となった場合は「早期発見・早期療育」で、ママの育てにくさと子どもの生きづらさ、どちらも楽になりますよ。