イヤイヤ期の原因は前頭前野にあった!かんしゃくもちの2歳児を変える4つの対応

子どもの「イヤ」にふり回されて、疲れていませんか?
子どもにイヤイヤばかり言われると「もういい加減にして!」と思いますよね。
どうしてイヤイヤ期なんてあるのか。
実は、脳の前頭前野という部分が、2歳児では未発達だからです。

・ママの声かけには「イヤ」
・何かするのも「イヤ」
・何もしないのも「イヤ」
・あれ、これ、それ、ぜーんぶ「イヤ!」

筆者の子は「イヤ、イヤ!イ~ヤ~!!」と叫びながらスーパーでひっくり返ったことがあり、とても恥ずかしくなり焦りました。

ママに余裕がないときは「やめなさい」や「ダメ」と声をかけがちです。
すると子どもはもっと怒り、ママはお手上げ状態になりませんか。

この記事では、イヤイヤ期の原因を知り、大変な時期を乗りこえるための対処法をお伝えします。
ポイントをおさえた対応で、子どものイヤイヤ期をのりきりましょう。

イヤイヤ期はがまんする力が育つ途中

イヤイヤ期は個人差がありますが、多くは1歳半から始まります。
1歳半といえば、1人で歩けるようになり、相手の言葉が少しずつ分かり始める時期です。
自由に動けるようになり、できることが増えていきます。
そして外の世界に気が付き始め、自我も芽生えます。
では、どうして1歳ごろからイヤイヤ期を迎えるのでしょうか。

2歳児の脳は前頭前野が未発達

前頭前野とは、おでこのあたりにある脳の部位です。
人の理性をつかさどり、脳の中の脳とも呼ばれます。

・まわりの情報を整理し、てきせつな行動をする
・感情や行動をコントロールし、衝動的な欲求をおさえる
・前頭前野の発達はゆっくりで、10代ごろに発達のピークをむかえる

2~3歳児の前頭前野は未発達な状態です。
この部位が未発達だと、本能的な欲求をおさえることが難しくなります。
自我がめばえ、やりたいことが増えるのに、まわりの状況や相手の気持ちを理解する力が追い付きません。
そのため、うまくできないときや、気持ちが伝えられないときに「イヤ」と泣いてしまいます。

イヤイヤ期の正体は「未発達な前頭前野」だとわかりました。
子どものイヤイヤは「この時期の当たり前」な行動なのです。

イヤイヤ期の子どもへの4つの対応

イヤイヤ期の子どもは手ごわいです。対処法を知って、子どももママも楽に過ごしましょう。

「いやだね」「こうしたいよね」と声をかける

頭ごなしに「ダメ」と言われると、子どものかんしゃくはひどくなります。
ママにとっては、やめてほしい行動。けれど子どもには子どもなりの理由があるのです。
ママが共感してくれると、子どもは「自分を分かってくれた」と感じ、落ち着きを取り戻すでしょう。

・「こうしたいんだよね」と行動を受け止める声かけ
・「そうだよね」とイヤイヤな気持ちを丸ごと受け止める

がまんする理由を伝える

がまんを身につけるには、「がまんをする理由」を理解してもらう必要があります。
理解に必要な行動は2つ。

・大人は、子どもにがまんをする理由や目的を伝える
・子どもは、理由や目的に納得して、自分からがまんをする

子どもがお菓子を食べたいと言ってきた場合
 →「先におもちゃを片付けてから。おやつはきれいなお部屋で食べようね。」
  →時計を見せ「長い針がこの数字になったら食べようね。」

そのあと「おやくそくできる?」と聞き、子どもが納得しているかを確認してください。
子どもが納得できていないときは、別の提案や子どもの意見を聞き、納得できる理由を決めてくださいね。

子どもががまんできたら、偉かった行動を大げさに褒めましょう。
褒めることは自信をつけさせる効果があります。子どもはまたママに褒めてほしくて頑張ってくれますよ。
褒めるときのポイントは「具体的に」。

例:「おもちゃをポイしなかったね。おもちゃ箱に入れられたね。」

良かった行動を伝えると、どうして褒められたかがよく分かるからです。

子どもに選ばせる

イヤイヤ期は自我のめばえです。
大人がすることは「イヤ」。けれど自分で選べば納得し満足します。
自分のことを自分で決めると「自己決定力」が育ちます。自己決定力が育つと、自信や自己肯定感が高まりますよ。
選ばせるときのポイントは2つ。

・最初は2つから1つを選んでもらう
・親が「どちらを選んでも良いと思うもの」を選ばせる

「赤いズボンをはいてほしい」と思っているなら「赤と黄色、どっちのズボンがいい?」と聞かないでください。
子どもが「きいろ!」と選んだら「やっぱり赤も似合うんじゃない」と誘導したくなりませんか。
それでは結局、親に選ばされたことになってしまいます。

叱るときは「短く」「ゆっくり」「ハッキリ」と

叱るとは「ダメなことをダメと伝える」しつけの1つです。
大声でガミガミ叱り続けても、「ママがこわいなぁ」しか子どもは思いません。
叱るときは、一番伝えたい内容を考えてください。

・2~3語の短い文章で伝える
 ⇒例:おもちゃは投げない。壊れるよ。
・危ないことをしたときは抱いて止める

2歳児が理解できる言葉は2~3語文程度です。子どもが分かりやすいよう、短い言葉で声をかけましょう。
ケガの危険があるときは「危ないからだめ!」と、すぐに行動をやめてください。
危ない理由も「ハサミをふり回すと危ないよ。机におこうね」と短く伝えます。

まとめ

イヤイヤ期の原因は、脳の前頭前野が未発達なためです。
行動や感情のコントロールができず、気になると手を伸ばす・イライラしたら泣くなど、衝動的に行動します。

ひとりでやりたいのに上手にできない。
うまく言葉で伝えらない。
子どもはいろいろな場面で「イヤ」と泣いてしまいます。

・脳の前頭前野が未発達だからイヤイヤ期がおきる
・「イヤだね」と気持ちを受け止める
・がまんが必要なときは、がまんしてほしい理由を伝える
・2~3個の中から子どもに選ばせる
・声かけは2語文、3語文を意識する
・叱るときの言葉は「短く」「ゆっくり」「ハッキリ」と

ママにとってイヤイヤ期はとても大変ですが、子どもは自我がめばえて自立への一歩をふみだす大切な時期です。
子どもの前頭前野が発達する3歳ごろまでは、イヤイヤ期にふり回されるかもしれません。
今回お伝えした対処法で、イヤイヤ期をのりきりましょう。
子どものお話しが上手になり自分でできることがふえたころ、イヤイヤ期の終わりがやってきますよ。